アニポケ擬人化をメインにしたものです。 前まではBLCPネタ中心でしたが、今はギャグ中心です。 機械音痴なのでうまくできるか心配ですが、よろしくお願いします。
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Posted : 2013/12/21 23:04
こちらは小説版です

随時更新です

コピーというやって良いのか悪いのかという方法を使いました。

機械音痴ですみません

続きからどうぞ





その名を僕は知らない。(ピジョキン)   作:ふみ様

「ピジョットはさぁ…」
 深い深い穴の中から、泣きだす寸前のような声が湧いてきた。もしかしたら泣いているのかもしれない。
 しかし、オニゴーリもよくもまぁここまで深い落とし穴を掘ったものだ。その背景には、あのどうしようもない水ポケ二匹の協力もあるんだろうけど。彼を救いだしたら、まずオニゴーリとワニノコ、ヘイガニに説教をしよう。あとはオオスバメに小言を少々。原形になれば浮けるオニゴーリはともかくとして、ワニノコとヘイガニがこの穴から這い上がってくることは困難だ。そこには上下運動の出来るポケモンの手助けがあったからに違いない。念力でヨルノズクがひきあげた?いいや、それはありえない。ヨルノズクは自分が原因で困っている者に手を貸したりしないだろう。ヘラクロスもまた然り。ムクホークならば助け出したのち、埋めさせるはずである。そうなるとオオスバメしかいなくなるのだ。何より彼は同期に甘い。ワニノコの押しにも負けるだろうから、穴を埋めさせることもないだろう。困った時はフシギダネを呼べと言っているのに。
「ピジョットは明るいよなぁ」
 穴の底でこちらを見上げているであろう彼は、言葉の内容とは裏腹に深い深いため息をついた。
「明るい?そうか?」
「明るいさ。その金髪、太陽が反射してキラキラしてる」
 こっからでもよく見えるよ、と笑う彼の声は、心なしか沈んでいる。褒められているはずなのに、言いようのないモヤモヤだけが募り、不愉快だった。
「今からそっち行くから、大人しくしてろよ」
「あぁうん、悪い」
 人型の背中に羽を生やして(原形だと詰まってしまうのだ)、軽い足取りで地面を蹴る。羽さえ出していれば、狭かろうと上下運動は可能だ。すぐに彼の柔らかな
紅の髪が見えた。
「お疲れ、キングラー。どこに行こうとしてたんだ?」
「スーパーだよ。卵が安いんだ」
 お一人様一パック98円。生憎と森暮らしで食糧は現地調達が当たり前である俺にはそれがどれぐらい安いのか分からなかったが、キングラーが安いと言っているんだから安いんだろう。
「へぇ、じゃあ早く行かないとな」
「あぁ。それにしてもオニゴーリたち…いい加減本腰入れて怒らないとな」
 おやまぁ、どうやら今回のことはキングラーの怒りのツボを刺激してしまったらしい。それには少なからず安い卵のことがあるのだろう。
 気合を入れて、俺より少し大きな体をなんとか持ち上げた。出会った頃はあんなに小さかったのに、いつの間に。自分も進化して体格は大きくなった方だと思うのだが、それでも抜かせない身長が悔しい。これが2歳分の差だと笑われてしまえば、それまでなのだが。
 苦々しい思いから逃げるように、大きく頭を振る。地面を勢いよく蹴れば、近づく空色。光の世界があっという間に俺たちを包み込む。
「ほら、到着」
「ありがとう」
 ゆっくりと降ろせば(降ろした先に落とし穴、なんてことが度々あった)、彼はふんわりと笑った。彼の人柄をそのままそっくり浮かびあがらせたその笑顔に、さっきまでのモヤモヤが消え去っていく。他人の笑顔を見るのは好きだ。それだけ自分が役立てたと実感できるから。一番は主人の笑顔だが、彼の笑顔も好きだった。
「あー…その、ピジョット?」
 そのままフシギダネのところでも行こうかと考えていた俺の服を、彼が控え目に掴む。その行動に驚いて、ほぼ同じ位置にある(若干目線が上にあがるのは気にしない)彼の顔を覗きこめば、少しだけ頬を染めて首を小さく傾げる。
「卵さ、二パックは欲しいから……」
 ついてきてほしいんだけど、と言う彼に拒否を示す理由は、俺にはなくて。
「まぁ、また穴に落ちられたら困るしなぁ」
 言い訳じみたことを言いながら、頷いた。
 
 俺はまだ気付かない。
 彼の笑顔少しだけ輝いたのも、その笑顔に少しだけ体温が高くなったのも。
 俺はまだ知らない。
 その気持ちを、何と呼ぶのかを。




足代わり(カイワル)     作:ウッディ様(元扇子様)

「いって…最悪だ」

ずきずきと鈍い痛みを放つ左足を押さえる。赤く腫れ上がった患部は、ひょっとしたら骨折をしているのかもしれない。
「こりゃー歩けねぇよなぁ」
俺は自分でも大袈裟だと思うくらいなため息を吐いた。


ただ、崖の向こう岸にあるオレンのみを取ろうとしただけだ。
大体距離は3メートル弱くらい。これくらいならサトシよろしく飛び移れると思っていた。

まさか、飛び移る瞬間に足がつるなんて考えもしなかった。
実際、そんなのあり得ないだろ。しかも太股。
つった痛みと驚きで俺は崖の下の地面に落下。無事であった左足で何とか着地出来たが、結果はこの通り。いてぇ。
オレンのみは取れなかったし、大怪我を負うしで、今日の俺は非常に運が悪いようだ。今ならじわれもぜったいれいども余裕で当たるな。

…それにしても、これからどうするか。自力でサトシの元まで帰るべきだろうか。
「待ってれば探しに来るんだろうがなぁ」
見つけてもらうまで待っているのは、少々癪だ。何かの試合に負けたような気がする。
…。

よっこいせ、と、岩壁を支えに立ち上がる。左足は御覧の有り様だが、右足はもうすっかり治ったみたいだ。
片足でひょこひょこと、ジャンプしながら歩いてみる。岩壁づたいなら何とかなりそうだ。

「このまま行けば夕暮れには帰れるな」
「お前はアホか?」
「…あ?」
聞き覚えのある声。ただし名前が出てこない。か、カイ…何とか、みたいな。
あ、
「カイリュー!」
振り向くと、いつもの通り、超絶不機嫌そうな顔をしているカイリューが居た。
「何で居んだよ」
「…別に」
アイリスの手持ちになった、コイツ。正直、俺はコイツがあまり得意じゃない。いっつも仏頂面で、何考えてるのかわかんねぇし。アイリスの言うことも聞かない時があるし。
「お前はアホすぎるな」「るせぇっ、ほっとけ!」
どうせバカにしにきたとかそんな感じだろ。カイリューに背を向けて歩き出す。と、いきなり首根っこを掴まれた。
「な、んだよ」
「黙ってろ、アホ」
ひょい、と体を軽く持ち上げられた。
そのままカイリューは、俺を担いだまま歩き出す。
「…は?」
どういうことだ、つーか、どんな持ち上げ方してんだよコイツ。
所謂、米俵担ぎっていうやつ。肩が腹に当たっていてぇんだけど。
「落ちたくなけりゃ大人しくしろ」
「てめぇ、何がしたいんだよっ」
「運んでやってんだよ、有り難く思いやがれ」

良く見ると、カイリューが歩いている道は、まさしく俺が自分で帰ろうとしていた道だった。
「……」
こうなると、何も言い返せない。気恥ずかしいし、悔しい。

そして、何でこんなにタイミング良くここに来たんだ。
まさか、俺を探してたとか、そう言うのじゃないだろうな。
もしそうだったら、俺は確実に瀕死になれる。
「…俺は、偶々通りかかっただけだ。勘違いすんなよ」
心を読まれた。何だコイツ。
「分かったようるせーな」
ため息をつきながら返答してやる。
ふと、カイリューをみると、服のポケットに大量のオレンのみが入っていた。
今度こそ本当に、何も言えなくなった。






願ってる(カイワル)     作:てを様



 このオーキド研究所に来てからどれだけ経ったろう。もっと言えば、あのひとと別れてからどれだけ経ったのだろう。
 連絡はちゃんと取り合っている。それは、手紙だったり電話だったり。彼の主に無理やり撮らされたという写真が同封されていたりすると、元気でやってるんだなと安心できる。電話であればお互いの顔を見ながら話せるし、嬉しいのは確かだ。オレはそれで、一応満足しているはずだった。離れていてもこんな風に相手の様子を知ることができるなんて、とてもありがたいことなのだから。
 でも。この頃、ある願いがなかなか頭を離れてくれない。消えてくれない。ただの我儘、望んではいけない我儘なのに。あのひとに会いたい、だなんて。
 ダメだダメだと、ぽかり、ひとつ頭を叩く。途端にサングラスが落ちそうになるので慌てて抑えた。今ならコレ取っても性格あんまり変わらなそうだなと、それを掛けたままで上下に揺らしてみる。ああもう、オレ、機から見りゃただの変な奴じゃないか。そしてそんな考えがまた自身を落ち込ませるものだから。
 どうしたらいいのかわかりゃしない。どうにかなるものでもないことだってわかりすぎている。
 うーんうーんと呻いてみたり。柔らかい芝生に寝転んでみたり。終いには溜め息なんか吐いてみちゃったり。オレは恋する乙女かっての。
 ……あながち間違いでもないような気がしてきてそろそろ頭が痛い。


 *


 いつの間に寝てしまったのだろう。開けた視界がぼやける。寝起き特有の回らない頭。起きることができない。だるいとかじゃなく、面倒くさくて。なんだかもっと夢を見ていたい気分だ。もう一度寝ようかな。自分のマイペースさにも呆れてしまう。だが、夕飯の頃にはおそらく、誰かが起こしに来てくれるはず。一晩中ここで過ごしてしまうなんてことにはならないだろうから、心配はいらない。忘れられなきゃいいが。
 そうして再び目を閉じた。広がる黒。もともとそばにいた睡魔は、ここぞとばかりに襲ってくる。
 最後に映ったオレンジ色は果たして、夕焼けのものであったか。


 *


 オイ、起きろ。いつまで寝てるつもりだ。
 頭に響く低い声。心地よい音。

「オイ。……つか、今何時だよ」

 誰だろうか。そばにいるひとが、オレに話しかけてきている。起こそうとしている?

「そろそろ帰んねえと」

 うっすら。恐る恐る。もしやと思って慎重に。
 そこには見慣れた、しかし久しぶりに目にする懐かしい背中があるような気がして。
 夢の続きだろうか。そのわりにはいやにはっきりしているけれど。
 物は試しだ。そう思い、俺から正反対のほうを向いたひとに手を伸ばす。ああ触れられたと感じて、それから指を滑らせた。びくりと揺れる肩。驚いた勢いに乗って振り返る彼。
 あれ。この顔のこの表情、初めて見たかもしれない。

「びっ……びらせてんじゃねえ、よ……!」

 心底驚いたらしいそのひとは、静かに怒鳴る。
 少しずつ頭も視界もはっきりしてきて、今の時間帯、目の前に誰がいるのかといった情報が頭の中に巡りはじめた。淡いオレンジ色の後ろに見えるのは藍色の空と白い星。
 その大きな背中から、添えた手を離すことが出来ぬまま。見ただけで何かが込み上げてきてしまう、その顔から目を外せぬまま。一寸たりとも動けずにいるオレに痺れを切らしたのか、淡いオレンジは表情を幾らか和らげようと溜め息をもらし、それから身体をこちらへ向けた。そして彼の身体から離れ宙に浮いたオレの手がぎゅっと掴まれる。結構な力の強さに今度はこちらが驚いた。
 けど。それよりも、何よりも。

「なんでここにいんの……カイリュー」

 芝生の上に寝転んだ状態を変えずに尋ねる。
 どうして。なぜアンタがこんなところにいるんだ。

「……なんとなく」
「な、なんとなくでこんなとこまで来ないだろ!」

 とりあえず起きろ。そう言ってカイリューは立ち上がった。繋いだままでいた手を引かれ、自分も無理やり立ち上がらせられてしまう。いきなりのことで一瞬頭がくらりとする。この感覚、嫌いなのに。ひとつ悪態をついてやろうかとほんの少しだけ高い位置にある顔を見上げた。もしかしてこれは稀に見るいじりチャンスじゃなかろうか。からかってやろうか、なんて自然と口元が緩む。

「わかった。そんなに会いたかったか」

 先ほどと同じようにバッと勢いよく振り向くが、それはやはり真っ赤。違うと力強く否定するあたりどうやら図星らしい。
 嬉しさと、胸にのぼってくる熱と。つっかえていたものと。

「……サングラス、ずれてる」

 言われて、は、と思いそれに手をあてる。熱く濡れたものが皮膚に触れた。驚き腕を引くと、指がサングラスに引っかかり、そのまま芝生の上へと落ちていってしまう。
 それからとめどなく流れ落ちてくる透明な雫。顔が暑い。
 ふ、と顔を綻ばせるカイリュー。珍しい表情だ。そして次の瞬間には、両腕が伸びてきて。気がつけばオレの顔は彼の胸元。どうやらすっかり抱き締められてしまったらしい。久しぶりの、温もり。

「わり。もう時間ない」
「そっか。はは、アイリスの説教は長いもんな」

 紫の主人を思い浮かべたのか、カイリューは小さく舌打ちをして、それからオレの身体を離した。早くてもう涙は出てこない。サングラスを落としたままでも。こんなに短い時間でも。彼のあたたかさに触られたから。なにより、会いたいと願ってやまなかった彼に会えたから(それは泣いた理由も同じものであったけれど)。
 しまっていた翼を広げたカイリュー。なんだか逞しくなったな、なんて。きっと間違いではないのだろう。
 ぼうっと見つめていると、少し乱暴に頭を撫でられた。いつもの顰めっ面に戻っている。あの日からずっと見てきた、あの表情。相変わらず、こんな感じなんだ。

「じゃあな」
「ん」

 小さく返事をした後に、また来ると続けた。けして近い場所にいるわけではないのだから、無理はして欲しくないのだが。けどその言葉が嬉しくて、そして期待してしまっている自分がいて。彼自身、オレに会いたいと思ってくれているわけで。
 ちょっとしかいれなくてわるい、とか。そんなこと、ないのに。
 精一杯のこの笑顔が、コイツのためになれていたら。
 風が吹く。羽ばたく音。背景になる星。
 ーー彼の、カイリューの姿はもう見えない。
 オレは静かに屈んで、落としたサングラスを拾い上げた。

 *

「こんなところにいたのか」

 あれからどれくらいの時間が経ったのだろう。オレを探していたらしいガントルが、やっと見つけたといった風で呼びかけてきた。僅かに肩を上下させているあたり、どうやらここまで走ってきてくれたらしい。
 余韻に浸ってなんかいず、オレもさっさと帰っているべきだった。申し訳ないことをしたと思い謝罪すると、優しいガントルは特に怒りもせず、ただ何かあったのかと尋ねるだけで。けれど、答えようもなかったから苦笑を返すことしか自分にはできない。

「まあ、お前が見つかってよかった。みんなが心配しているぞ、早く戻ろう」

 それ以上追求しようとしてこないこの友人に感謝した。おう、と出来るだけ明るく答え、その後につく。
 さて、帰るか。アイツがいない、けれど大事な仲間たちのいるところへ。
 そしてオレはまた、ひたすら待つのだろう。大好きな、このあたたかい場所での再会を。彼の温もりに、再び触れられる日のことを。
 それが遠くないことを、願うのだろう。





漆黒のfour eyes(カイワル)     作:ail様


前編

 俺は負けたんだ・・・あいつに・・・。
理由はいたって簡単。ドンバトルでサトシのワルビルがワルビアルに進化し、圧倒的な強さを手に入れ俺を倒そうとすると俺は突如暴走を始め、とどめを刺された。「カイリュー戦闘不能!」という審判の声が鼓膜に響いていたのも覚えている。・・・悔しかった。


その夜、俺はこっそりモンスターボールから抜け出し考え事をしていた。俺はもっと強くならなければならない。でもどうすれば・・・。そう思っていたら・・・・・・現れた。

俺を倒したワルビアルが・・・

「お前、大丈夫か?俺が進化して、暴走とかして傷痛むだろ?悪かったな。お前プライド高いのに倒しちまって」「黙れ」
「・・・え?」
「黙れって言ってんだよ!!」
「なんで?お前そんなこと」
「うるせぇ!!さっきから聞いてみりゃ、俺を心配しやがって・・・俺をそんなに弱いと思っているのかよ!!」
俺はムカついてあいつのサングラスを奪ってやった。粉々にしてやろうかと思っていたその時だった。



「返してください・・・」
「あ?」
「それがないと、ぼ・・・僕は!!」



何だ・・・さっきまでのあいつとは違う。まるで何かに取りつかれているような・・・そんな目をしていた。
そして、その瞳は美しく漆黒に輝いていて・・・・・・あれ? なんだ、この高鳴る鼓動は・・・・・・恋?
いや、もし、そうだとしても・・・仮にそうだとしてもだぞ、あいつは男だ。男が男を愛するって変だろ?



どうかしてるだろ・・・俺。

「返してください・・・。僕・・・僕たちのサングラスを・・・。」
えっ?こいつさっき僕たちって言ってたよな?おかしいだろ・・・こいつはこいつ一人しかいないわけで・・・何言ってやがるんだ?



「おかしいだろ・・・僕たちって・・・」
「・・・え?」
「訳分かんねえって聞こえてねえのかよ!?」
「・・・すみません」
「・・・」
「僕は、普段あなたが見ている僕じゃないんです」
「・・・は?」
「実は、」


そう言ってあいつはサングラスを俺から取り返し、はめた。









「俺たちは・・・二重人格なんだよ。」




後編


    「俺たちは・・・二重人格なんだよ。」


驚いた。あいつが二重人格?


理由を聞いてみると、そいつは昔、同種族からひでぇいじめを受けていて、自殺でもしようかと思い立っていた時に見つけたのが・・・今大事そうにしているサングラスだった。つけてみると、別人になったような気分で力がみなぎっていた。それから、サングラスを付けているやつを紅結、付けてないやつを智沙と呼ぶようにした。
智沙は普段は閉じこもり紅結が行動をし、外されたときにだけ智沙が出てくる。

その説明をしているときのあいつの漆黒の瞳は俺に助けを求めているかのような目でいた。




「大変だったな・・・お前、悪かったな。さっき怒ったりして・・・」
「俺のほうこそ、ごめん。・・・あのさ、カイリュー?」
「・・・何だ?」
「俺と智沙ってさ、どっちのほうが好き・・・かな?」
「・・・へっ?」
「その・・・お前の好きなほうでこれから過ごしていこうかな~って///もちろん、俺としては智沙が」
「選べるわけねえだろ」
「・・・えっ?」
「なんかよくわかんねえけど、お前は二人いてお前が成り立っているから、そのままでいいと思うんだが、それに・・・」
「それに?」





「お前のこと好きになっちまったし、責任とれよな・・・///」
「・・・おっ、おお///」



それから、リザードンが加入して恋人(ジュカイン♂)がいるということで正式的に俺とワルビアルは付き合うことになった。



『夕陽と闇の狭間で惑う』(相常)    作:追伸様

夕暮れは無条件に人を感傷的な気分にさせる。伸びる影も、橙色の日差しも、教室に漂う僅かな冷気も、全てを演出してくれる時間だ。

日誌を書くのに手間取ってしまった俺は、黒影を引き連れて無人の廊下を歩いていた。闇が濃くなって来たので黒影は少し野生味を増している。帰りに本屋に行こうかとも思っていたが、下手に寄り道はしないでおこう。

ふと前方から足音が聞こえた。廊下の角を曲がり現れたのは担任の相澤先生。軽く頭を下げると、気だるげな会釈を返してくれた。すれ違った一瞬後、ぐっと後ろに引かれる力を感じた。何かと振り返ると黒影が先生の肩を掴んでいる。先生は訝しげに俺を見ていた。

「すいません。おい、早く放せ」

強めの口調で言うと黒影は嫌そうに従った。友人には“夜が来て獰猛になった黒影は制御が難しくなる”と伝えているが、それだけでは無い。こいつは時々俺の本音を体現してしまう。今の行動はつまりそういうことだ。

それに、おそらくこの人は俺が向けている好意の種類をわかってる。わかった上で冷静に大人の対応をしている。こんなにも渦巻く感情に窒息しそうなのは俺だけで、この人は別に何も想ってはいないんだ。その事実だけでやりきれなくなった。

「相澤先生」

「何だ?」

「この世界の全てが俺の敵になったら、助けてくれますか?」

馬鹿なことを言っている自覚はある。案の定先生はきょとんとしていた。少しの思案の後、頭を掻きながら口を開いた。

「…あまり合理的でないが助ける」

ああ、素直に嬉しい。あなたが守ってくれるなら俺は最高に幸せになれる。

でも悦に入ってはいけない。きっと言葉が足されるだろうから。

「お前は俺の生徒だからな」

その台詞は想像通りで、常識で考えれば当然のものだった。


今すぐに夜が更けてしまえばいい。そうすれば黒影は俺の本能のままに動いてくれる。

何よりもこの泣きそうな表情を闇に誤魔化す為に。

頼むよ太陽。はやく、沈んで。

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現時点で一番好きなポケモンはサトシのワルビアルです。
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